χ(カイ)2乗分布は,確率統計の検定に用いられる確率分布の一つです.
正規分布の確率変数を2乗すると,χ2乗分布になります.
χ2乗分布の意味(Chi Square Distribution)
χ2乗分布の確率変数をn個足すと,自由度nのχ2乗分布になるそうです.
nを標準正規分布の数とし,を標準正規分布とすると,
が自由度nのχ2乗分布になります.
χ2乗分布の確率関数(χ2乗関数)は以下のようになります.
(分母にある見慣れない数学記号はガンマ関数です.)
例えば,自由度4のχ2乗分布は,横軸に確率変数,縦軸に確率を取ったとき,以下のようになります.左右対称ではありませんが,正規分布に似ています.
正規分布に従うデータ群から標本を取り出すとき,標本の不偏分散の分布はχ2乗分布に従います.
O"Reillyの本「Collective Intelligence」で紹介されている集合知の「分類器」の一つ「Fisher法」に,この特性が応用されています.
恐らく,カイ2乗関数は,単純に上記グラフの横軸を入力とし,縦軸を出力とする関数でしょう.
逆χ2乗関数 (Inverse Chi Square Function)
逆χ2乗関数は,集合知の「分類器」の一つ「Fisher法」に用いられています.
この部分が分からず,先生と3時間議論するはめになりました...
恐らく,χ2乗関数では「確率変数」から「確率」を求めるのに対して,逆χ2乗関数では「確率」から「確率変数のようなもの」を求める事ができ,分類対象のカテゴリごとの「確率変数のようなもの」の大小を比較する事で,分類先カテゴリを決定するのではないでしょうか.
参考情報
Excelサンプルドキュメント
http://isbn.sbcr.jp/3701X
(CHAPTER5 カイ2乗分布完成.xls)
Excel2010 Trial English
http://office.microsoft.com/en-gb/try/
"Chi-square distribution" in Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Chi-square_distribution