これといった趣味を持たない高校生の少年が、本気で漫画を目指す転校生や、声優を目指す同級生、アマチュアアニメーターの先輩や脚本家を目指す先輩、スーパーハッカーの友人と寮暮らしをするなかで、ときに振り回され、ときに落ち込みながらも、自身も何らかの創作活動に挑戦しはじめる物語。
作中の描写では、たとえ趣味であっても、創作活動には目標と気力が求められるようです。これは同人活動においては的を射ているでしょう。この話を読むと、時は金なり、自分もボヤボヤしていられないという気持ちになります。
"何かに一生懸命打ち込むってことは、その分だけ、失敗したときの反動も大きくなる。かけた時間、込めた想い、成功への期待が膨らめば膨らんだだけ、ダメだったときにはカウンターとなって跳ね返ってくる。"
"そのリスクを背負えるやつだけが、何かに挑戦する権利を得られるんだ。" (さくら荘のペットな彼女 より引用)
全身全霊をかけ、言い訳や逃げ道を用意せず、多大なリスクを負うもののみ、選ばれた人になる可能性を手にする。その描写は、鴨志田一先生の人生経験でもあるように感じます。