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WordBench京都 Welcart開発者様講演

この日は、WordPress用ECサイト構築プラグイン「Welcart」開発者様が、Welcartの特徴やメリット、注意点、導入方法について講演されました。下記その備忘メモです。



WordBench 京都
4/14 13:50~
登壇者 南部様、安間様 (福井県)(Welcart plugin開発者)
http://www.welcart.com

【 セッション1 】Welcartの紹介、実例、応用などについて

2013年 10万DL突破!

【Welcartの特徴】
・プラグインのインストールは、管理画面から行って!FTPより安定。
・テーマは自動インストールです
・SKUの概念があります。
・商品画像のファイル名にルールを持たせる。(商品コードのファイル名にすると自動で商品と紐づけ)
・商品のカテゴリー構成が重要
・商品一覧ページはカテゴリーページを使っている。


【ショップの紹介】
あるお菓子屋さんのサイトを例に。
 →企業ページと、ブログと、ショップを一元化することで、効率的な管理が可能。


・商品詳細ページに、詳細オプション機能をつけた。
 →プレゼント用メッセージを入れられるようにし、また定型文を挿入できるようにした。
 →入力欄は、極力必須入力としないことがミソ。あまり必須項目が多いと購買意欲に影響するため。

 
【カートで買えない商品対策】
オーダーメイド用コンタクトフォームを準備。
 →ジャンルごとに30種類のページがある。

 
【商品詳細ページと詳細オプション】
・RELATED ITEMS欄
 →特定の商品を閲覧した時、「こちらの商品も一緒に見られています」という部分。集合知を使っている?
・ALSO BOUGHT欄
 →「一緒にこちらの商品も購入されています」という部分
・TREND ITEMS
 →人気急上昇アイテム。WordPressのウィジェットで提供されている。
 
ウェルカート.comで紹介しています。


【海外向けサイトでも使える】
configファイルで、または管理画面から、英語表示を選択可能。
ただし翻訳機能はなく、バイリンガルのプラグインも使えない。商品記事は英語で書いてもらう必要がある。
 →これはプラグイン同士の競合のため。


マルチ言語のサイトの構築例としては、/ja/や/en/でディレクトリを切り、WordPressを複数入れる方法を取っている。
 →ただし在庫管理をする場合は、在庫管理を複数のwordpressで連携管理しづらい。
 

【定期購入の仕組み】
サプライ品などは、定期的な購入を契約頂いている場合がある。
この形式の購入をサポートするプラグインは提供予定。


【ライセンス販売】
 →物理的商品を売るのではなく、ソフトウェアなどのライセンスを販売するタイプのサイト受注が増えている。
  このようなタイプのカートサイトもサポートしている。

  
【DL Seller】
 →クレジット決済、銀行振り込みにより、画像素材を販売できる。
 

【コンタクトフォーム】
 Contact Form 7により、ダウンロード販売用デジタル素材のカスタマイズ依頼を受けることが可能。
 

【カートに入れる画面】
 商品を選択時、カートに入れる画面へ遷移させる方法もあるが、AJAXにより、カートに入れる画面を小窓として表示させるようにし、ページ遷移をなくした。
 

【PayPal】
 購入にはPayPalを使用可能。
 

【質疑】
・顧客管理をするのに特化したプラグインはある?
 →依頼は多いが、実装できていない。
  →パスワードの扱いをどうするか悩んでいる。(暫定パスワードを使う?)
  

・ASPからWelcartへの移行は?
 →手動でDBを移行するサービスは行っている。
  ただし、パスワードをどう扱うか。
  暗号化の仕組みが同じであればそのまま持っていけるが、アルゴリズムが変わると再登録の必要がある。
  

【インストール】
 http://www.welcart.com/wc-flow/
 1. 管理画面(ダッシュボードからプラグイン)からインストール。基本的にはFTP使わない。
 2. Welcartのテーマがインストールされているので、それを選択するよう設定。
 3. メニューにWelcartが増えているので、基本設定画面へたどり、基本設定をする。管理者メールアドレスの登録や配送方法。
 

【動作環境】
PHP5.2, MySQL5.1or5.5 (WordPressの推奨環境) (PHP5.4とPHP6では動かないので注意!)
gd, mbstring, curl, openssl (クレジット決済の場合はopensslが必要)
php.iniはデフォルトが良い。
 →ただし、メモリリークは気を付けて。
  →制限を超えるとページアクセスが拒否される。300MBを超えるメモリを普通に消費する。
   最近は画像やページ数が多いWordPressのページでメモリを結構消費する。
   

【Google analytics for wordpress】
 →カゴ落ちを防ぐのにとても便利なプラグイン。原因究明にぜひ。
 

【Maintenance Mode】
 →Basic認証は使わずに、メンテナンスモードを使ってください。
  ただし、クレジットカード決済の試験はメンテナンスモードでは実施できないので注意。
  

【Wordpress Database Backup】
 →cronで毎日自動バックアップする。こういう措置は必ず講じておくべき。(去年のファーストサーバクラッシュ事件を例に)
 

【WP-Multibyte Patch】
 →WordPress標準。必ず有効に。


【セキュリティ対策】
1. SSLを使う。
 →せめて共有SSLでもいいので。


2. ショップ系サイトでは、キャッシュ系プラグインは絶対禁物!
 →あるお客様の個人情報をほかのお客様が閲覧するリスクがある!
 

3. プラグインやテーマの選定は慎重に!
 →悪意あるプラグインからデータベースにアクセスし、情報にアクセスすることが容易。
  プラグインだけでなくテーマも同様。気を付けて!
  

【資料】
・ドキュメント http://www.welcart.com/documents
・コミュニティ http://www.welcart.com/community

【 セッション2 】Welcartのデフォルトテーマのカスタマイズの仕方


【Welcart Default Theme】
→Welcartをインストールすると使えるテーマ。決済関係のテンプレートタグを使うと決済関係の問題が減るので、ぜひ使ってください。


【初期設定】
1. 基本設定
2. 配送設定


【カテゴリ】
下記カテゴリは消さないで。もし消してしまったら「welcart」を再有効化してください。
 ・商品
 ・おすすめ商品
 ・商品ジャンル
 ・新着商品
商品は、必ず「商品」カテゴリに属した記事としてください。
具体的には、Welcartメニューから商品の登録をしてください。


【ヘッダーの画像を変えてみよう】
→ welcart_default/images/header_bg.jpgを差し換えてください。
→キービジュアルも同様に、同じフォルダの当該画像を入れ替えてください。


【スタイルを調整しよう】
style.cssの#wp-calendar部分を編集すると、ボーダーの色変更や見出しの色変更を行える。


【カートページを変えてみる】
カート関連ページもスタイルのみで編集できます。


【サイトの例】
 ・ライズ公式バッグ通販ショップ (http://rise-bag.com)
 ・IKEA通販 (http://ikea-shopping.com)
 

【著書籍】
「魅せるWordPressサイト」(ラトルズ)出版されたとのこと。
5つのお客様の事例をもとに、WordPressを知っている人向けの書籍。


【質疑応答】
・「新着商品」ジャンルの商品は、新着でなくなったら自動的にジャンルから外れる?
 →はずれない。手動で外す必要がある。
 

・「おすすめ」かつ「新着」のように、複数のカテゴリに属させることは可能?
 →YES。
 

・購入画面の遷移について、ダウンロード販売の場合、発送情報の入力は必要ないので、発送情報ページを飛ばすことは可能?
 →YES。ただし、welcartプラグイン本体を書き換えるより、他からfunction.phpでフックし、処理を工夫する方がよい。
 →セミナーもあり。7/末~8/頭にWordPress PHP開発者向けセミナーを予定中。
 

・テーマはWelcartデフォルトテーマを使うより、個別テーマを作った方がよい?
 →YES.デフォルトテーマはアップデートされていくので、上書きされてしまうリスク。

【 セッション3 】座談会


・スライドショーのプラグインは?
 →スライドショーケースというプラグインを提供している。多少カスタマイズも可能。
 

・EC-CUBEなどのCMSなどでもそうだが、商品登録数に制限はあるか。
 →サーバの性能に依存する。さくらとかX-serverでは5000~10000点が限界か。
 →10000点を超えるとどうなる?
 →ページの表示に数秒かかる状況や、アクセスが多いと処理が止まる可能性が考えられる。
  Amazon W Extra-Largeを使っていたサイトで、1時間50万PVが発生したとき、クレジットカードの処理エラーなどが生じた。
  AWSは便利そう。2~3分でスケールアップできる。
  EC-CUBEよりもWordPressが負荷が高いのは事実。


・Welcartの決済方法は、増えていく?
 →決済モジュールの開発は、そろそろ疲れた。個別開発が優先のため、標準での提供追加は辛い。

 
・作れない機能は?
 →WordPressは汎用性が高いため、費用対効果があえば大概の開発はできる。
 →一部使えなくなるプラグインがある。wp-mlなど。ただし、ECサイトとして使う分には問題ないか。


・お客様の管理は、wordPressユーザと連動している?
 →していない。購入者とwordPress編集アカウントは全く別のテーブルを使っている。
 →技術上は連携不可能ではないが、あまり意味がないかと。


・お客様に広告メールを発出したり、メンバー特別価格で販売とかは可能か?
 →Welcart独自のhookを使うことにより、実装可能である。
 →大概のプログラマは、htmlコードをphpコードで検索し、該当する関数を覗くとhookが書いてあり、それを叩く方法が一般的。


・10万DLのうち、用途が多い業種は?
 →不明。ただし、web制作会社様がお使いになる場合は、業種はさまざま。


・welcart専用テーマは、wordPress標準テーマ(2012)と関係がある? 2012をベースに作っているとか。
 →全く独立したテーマである。


・標準テンプレートが2012→2013と進化していくように、welcartテンプレートも進化している?
 2013での新機能を使いたい。
 →改良はしていく。


・welcartを使った方がよい場合と、よくない場合を選ぶ基準は?
 →アクセス数が多い大型サイトは、EC-CUBEを使った方がよい。welcartを使うと、サーバをスケールアウトする必要がある。
 するとかえってコストがかかってしまう。
 welcartは小規模向け。


・他のECサイトプラグインと比較すると?
 →welcartは日本製である。 送料とかお客様情報のフォームは、日本独特の部分があるので、welcartの方が使いやすい。


・カスタムフィールド系のプラグインの多くが、正常に使えないのだが...
 →現状のwelcartは、管理画面を強引にオーバーライドしている部分があり、ちょっと動かないものもある。
 →将来的には、対応していく予定。


・welcartカスタマイズの依頼について、どの部分のカスタマイズ依頼が多い?
 →サムネイルで売り上げランキングと、その値段を出してほしい という依頼が多い。
  商品詳細ページのレイアウト変更なども。
  カートページの在庫ステータス情報を無くしてほしい とか。
  商品詳細ページに行かなくても、カートに入れられるとか。

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2013年04月14日 19:45に投稿されたエントリーのページです。

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